青山窯の起源は江戸時代、鍋島藩窯に仕えた遠祖・川副内蔵介(享保7年没)に遡ります。
大川内山地区の世話人代表でもあった内蔵介は、地域に深く根ざし、
お伊勢参りや神社建立など、文化と暮らしに功績を残しました。

歴史

青山窯のこと

伊万里 鍋島焼 青山窯 青山窯について

【 創業 】

明治4年の廃藩置県で藩窯は途絶しましたが、明治16年、川副半三郎が民間窯として「青山窯」を創業。藩窯の伝統を受け継ぎながらも、新たな時代の器づくりを志しました。

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【 技と挑戦 】

明治43年、二代目・川副虎次郎の弟、川副為之助が東京高等工学校(現・東京工業大学)を中退し家業に従事。彼は独自の窯変釉を開発し、青山窯の名を全国へ広めました。展示会での高評価は、青山窯の挑戦の証です。

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【 現代へ 】

140余年にわたり、青山窯は鍋島の伝統を礎に、時代に寄り添う器を紡ぎ続けています。
これからも、鍋島の品格を現代に更新し、暮らしに新たな息吹を添える器を提案して参ります。

理念

青山窯のこころ

伝統と創造のあいだに

今、私たちが「伝統」と呼ぶ器は、かつてその時代の人々が果敢に挑み、ゼロから生み出した最先端の証です。
青山窯は、その精神に敬意を払いながら、時代を超えて挑み続けた先人たちのように、変わりゆく今に向き合い、新たな美を紡ぎ出します。

時代の流れは日々加速し、変化のスピードはますます速くなっています。一方、伝統工芸の営みは、自然とともに呼吸するように、ゆるやかに息づくもの。その二つの速度のはざまで、私たちはただ時代に身を委ねるのではなく、あえて抗い、挑み続ける道を選びます。

どの道が正解かはわかりません。
それでも、美しさを守り、未来へと手渡すために。
私たちは今日も、炎の中にその答えを探し続けます。

― 青山窯 五代目窯主 川副史郎

略歴

五代目当主について

伊万里 鍋島焼 青山窯 青山窯について 当主 川副史郎
【五代目当主 川副史郎】

慶應義塾大学卒業後、株式会社 博報堂にてブランド戦略や表現の現場に携わる。そこで培った「時代の空気を捉える眼」と「物語を紡ぐ力」を胸に、故郷・伊万里大川内山へ戻り、青山窯の五代目を継承。

鍋島の美意識を礎に、現代の暮らしに寄り添う器のあり方を探求。伝統をただ守るだけでなく、受け継いだ歴史を更新し続け、流転の中に美を宿し、青山窯の精神を今に伝える。